芦亚凤先生

外国人学汉语常常会碰到一些近义词或者多音字,有时难免分不清楚。一次初级汉语课上,学生一进教室就急着告诉我说:“今天有点儿晚了,所以我打的(de)了。”“dǎ de?”,因为没有前言后语,我没能马上反应过来。我迅速在脑中搜索词汇,学生见我表情流露出困惑,似乎也发觉哪里不对,于是立刻拿出词典查了起来,就在我恍然大悟明白了他想表达的意思是「タクシーで」时,还没等我开口,他也好像顿悟了,看着字典又一次信心满满地告诉我“是dǎ dí!”。

中国語を学ぶ外国人にとって、類義語と多音字(複数の読み方がある字)における使い分けはなかなか難しいようです。ある日の初級中国語の授業で、生徒が教室に入るなりこう言いました「今日はちょっと遅れちゃったので、“打的”(dǎde)してきました。」“dǎde”??突然そう言われて、私はすぐに反応できませんでした。とっさに頭の中で、この人は何が言いたいのだろうかと考えました。私の困った顔を見た生徒は、自分の中国語はどこか違うようだと気付いたようで、すぐに辞書を出して調べ始めました。ふとその時、私の脳裏に彼が言いたかったことが浮かびました。もしかして“タクシーを拾ってきた(dǎdí)”かな?。すると私がそれを言うか言わないかのうちに、本人も分かったのでしょう。辞書を片手に自信満々で「dǎdí」と言い直しました。

      哈哈,大家猜猜这次他说的对吗?
      我故意没有像往常一样马上给予他肯定,他有些怀疑又有些不解。

 さてさて、この人の発音は正しいでしょうか?
 私がすぐに「正解です」と言わないので、彼も不思議そうな顔をしています。
                 
      我告诉他:““的”是多音字,除了我们常用的の的意思发音是轻声“de”以外,还有四声,比如“目的(mù dì)”,第三个就是字典里标注的“打的(dǎ dí)”,是「タクシーで」的意思。这个发音从汉语语言角度来看是没有问题的,但是用在日常生活对话中就会有些奇怪。汉语口语中这个词的读音已经渐渐被演变成dǎ dī,如果按照字典上的发音来说反而让人弄不清楚了。学生抓抓耳朵表示汉语真难,哈哈!

私は説明を続けました。“的”は多音字です。最もよく使う日本語の“の(所有・所在の意)”を意味する“de”(軽声)のほかに、“目的”(mùdì)のdì(四声)があります。また、辞書には3つ目の読み方として“打的”(dǎdí)のdí(二声)が紹介され、“タクシーを拾う”の意味だと記されています。この発音は文法的には正しいのですが、実際の会話で使うとちょっと変な感じがするのです。実は、現在の話し言葉では発音が次第に変化してdǎdīというのが普通になっているのです。つまり辞書どおり発音すると、逆に意味が通じなくなってしまうのです。その生徒さんも改めて中国語の難しさを感じたようでした。面白いエピソードですよね。

      汉语中的多音字有很多,除了死记硬背以外还要灵活运用,“多说多听多读”到什么时候都是学习语言的法宝。这是一个艰难但又充满乐趣的过程,正是因为这位学生不怕错、大胆说,即使不确定也没有用自己的母语,而是通过努力表达和查字典确认,最后才发现了问题并及时改正,而且加深了印象,还了解了日常生活的实际运用,这样点滴积累,汉语快速提高便不是难事。

 中国語にはたくさんの多音字があります。もちろん暗記も大切ですが、それ以上に柔軟な使い分けが求められます。“たくさん話し、たくさん聞き、たくさん読む”以外に、王道はありません。これはとても大変ではありますが、一方たのしいプロセスでもあります。生徒の皆さんは間違いを恐れず、勇気を出して話してみてください。自信がなくても母国語に頼らず、分からなければ辞書を引き、自分の言いたいことを表現してみましょう。間違いを直すことでより深く印象に残ります。すると次第に、生の中国語がどのように使われているかが分かってきます。このような経験を積み重ねれば、上達も速く、楽しく学習できるはずです。

《谷口翻译》
外国人が中国語を勉強する際同義語と多音字(2つ以上の発音がある字)を頻繁に目にし、時々区別がつかなくなります。前に一度、初級中国語の授業で、ある生徒が教室に入ってすぐに慌ててこう言いました。「今日は少し遅れたので、“打的”(dǎde)しました。」“dǎde”って?会話に脈絡がなかったのですぐには反応できませんでした。わたしは素早く頭の中で言葉を探しました。その生徒は私の困った顔を見て、どこか間違っていると気づいたのでしょう、そこですぐに辞書を出して調べ始めました。私は彼が言いたかったことが「タクシーを拾う」だとはっと気づきました。その時、私がそれを口にする前に、彼もわかったのでしょう、辞書をみながらもう一度自信満々に「dǎdíだ!」。

 ふふ、彼の言ったことが正しいと思いますか?
 私はわざといつものようにすぐに正しいとは言いませんでした。彼には疑問が残り、まだ少し理解していません。
 そしてこう教えました。“的”は多音字で、よく使う日本語の“の”に相当する軽声の“de”の他に、“目的”(mùdì)の四声dìです。3つ目は辞書によると“打的”(dǎdí)のdí、「タクシーを拾う」の意味ですね。ところがこの発音は体系的にみると問題ないですが、日常会話の中で使ってみると何か違和感を覚えます。実は話し言葉ではこの単語の読み方がdǎdīへと変化しつつあるのです。もし辞書の発音に沿って話せばかえってわからなくなってしまいます。その生徒さんは耳をつねりながら中国語の難しさを感じていました。笑

 中国語には多音字が沢山あります。これらは丸暗記するほかに柔軟に使っていかなければなりません。「沢山話し沢山聞き沢山読む」これはいかなる時であっても言語の効果的な勉強法です。これは大変ですがこの勉強プロセスには楽しさで溢れています、それはこの勉強法が間違いを恐れさせず、大胆に話させるからなのです。これによって不明瞭なことも母国語を使うことはなく、頑張って表現し辞書を使って確認することによって、最後にようやく問題を見つけそれをすぐに正します。この方法が印象を強くします。そして日常会話における実際の使い方がわかるようになります。このような積み重ねは、中国語を素早く上達させるのであって決して難しいことではないのです。

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